お祓い/Purification される女 ①の前編 「SW/最後のジェダイ」のデイジー・リトリー

 

 SWシリーズのヒロインとヒーローなのにっ

 これから「お祓いされる女」シリーズってのをまとめてやりたいのですが、当初自分が観賞した映画の中で「お祓いされてしまふ」状態に陥るヒロインなんてそうはいないよなああぁ・・と(実を言うと想定できる映画が一本しかなくて)シリーズにはならんと考えておりました。ところが2017年公開の映画にはやたらとお祓いされるヒロインの映画が登場してビックリしてます。特にこのSW最新作には驚いた、後ジョセフ・ゴードン・レビットがカメオ出演している事実を知ってさらに感慨深いです。実は同じく「お祓いされる女」映画として(500)日のサマー (吹替版)も取り上げたいんだよね、要するになんだかやたらと拗らせてる恋愛映画の事を「お祓いされるヒロイン」映画として私は考えてたのさあ♡このところ。で、日本語の「お祓い」に対して100%見合う英語はやはり無くてPurificasionとは主に「浄化」という意味の方が適当らしい。より過激な(映画的といってもいい)表現だと Exorcism rite/厳密な(悪魔払い)儀式てヤツになります。さらに付け加えるとこの手の「お祓いされる」映画に登場する男のキャラクターは皆どこか「司祭様」or「牧師様」みたいな奴らばっかです。一見するとやや内気で真面目な二枚目だけど・・・てな感じ、そう沈黙-サイレンス- プレミアム・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]でイエスズ会の宣教師演ってたアダム・サンドラーなんてのはまさにドンピシャで当てはまりますよね。大多数の古手のファンは💢、それまでSWに興味無かった新しい世代のファンが少しずつだけど出現している賛否両論の激しいけど(PC対応としてはバッチリな)SWエピソード8です。

あっという間に終わるSWエピソード5、長ーく感じる今回のエピソード8

 映画公開前にキャリー・フィッシャーハリソン・フォードと不倫していたとの告白をフォード了解の元に暴露するわ&その後急死という大事件が起き・・・私自身がスター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 リミテッド・エディション [DVD]観て、恋愛ものとしてちょっとドキドキしてたのは何だったのよ~!調子狂うわ~と感じながら今年の正月第1発目で観に行ったのでした。その所為か最初っからエピソード5とエピソード8はお互いが「対」の存在になるのかな?て印象が公開前からすり込まれていたみたい。んで、「帝国の逆襲」は観た人は皆一様に「あっという間に終わるんだよねエピソード5って」て感想を抱くのだ。そう、エピソード5は登場人物が皆「どSキャラ」揃いなのと不穏なラブコメから後半から急転換していって緊張したまんま終わっちゃうのが特徴。んでもってエピソード8はルーク(マーク・ハミル)が脇に引いているのはともかくもフィン(ジョン・ボイエガ)とローズ・ティコ(ケリー・マリー・トラン)の掛け合いやら唐突に出てくる子供達やらローラー・ダーンやらDJ(ベニチオ・デル・トロ)やらが一見するとバラバラな印象でそれにレイ(デイジー・リトリー)とカイロ・レン(アダム・ドライバー)のやたらと重たい恋の駆け引きがどどーんと乗っかているという・・・終わった後皆がっくり疲れる、観客の「M度合い」が試される(笑)映画になっているのだ。あのラストはしょうが無いと思いつつも辛い、ウチの息子も観た後にぐったり来てたもん。私なんかにはローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]と今回のエピソード8に続く流れは自然な感じはしましたけど。ただ最初観た時は個人的には面白いんだけどSWを見慣れていないヒトには「稚拙」に感じるヒトもいそうだわってのが第一印象。実際にはコアなSWファンほど「稚拙な第二創作」って酷評する方が多いようですね。

中国人に大不評だった

 あまりの不評に中国で途中打ち切りになったという「最後のジェダイ」。そりゃあティコ姉妹の美人姉(ベロニカ・グゥ)があっという間に去り、変わって天童よしみ似美人の妹ティコ(ケリー・マリー・トラン)がど根性で恋の勝利者になる展開なんでねぇ、アジア系全員がぁ・・・とは思わないけど中国の方々(特に男性陣)には気に入らないかも。私は彼女が気に入らない云々ではなく、SWともあろうものが学園物のラブコメのような、或いは下町を舞台にした人情時代劇or昔懐かしい西部劇のような展開をしても果たして善いのだろうか?という事には少し悩みました。ドメスティック過ぎるというかね。それまでのジョージ・ルーカス版(エピソード1~6)のSWというのはあくまでもダースベーダー一族の中での家庭劇で、共和国側の人たちは基本「脇筋」に置かれていたわけです。外伝で脇筋のキャラが主役/ヒーローとして活躍するようになり改めてSWのエピソード8も主役グループ以外のキャラクター達が本格始動を始めたということです。これを評価したのがUSの主要批評家とか日本の町山智浩氏って事でしょう、「正史」とは血族の物語でなくそこに存在する総ての人々もの、理力/フォースは総ての人々に恵みを与えねばならないってか。

じゃあじゃあ、伝説のジェダイルーク・スカイウォーカー」の扱いってどうよ?

 エピソード8におけるルークについての描き方が総じて不評でありまして、カイロ・レンとの間の確執よりもヒロインのレイについて彼女に対するフォローがなってないという指摘が多々あります。これについては私自身は「はぁ?」とか思っちゃうんですよね。スター・ウォーズ/フォースの覚醒 MovieNEX(初回限定版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]から「最後のジェダイ」でもレイの出自や両親については観客に全く知らされていないのが困るんだけどね。彼女の内に抱える葛藤の内容を知ることなく、カイロ・レンとレイの間の二人だけの秘密としたまま彼らの駆け引きの行方に観客とスカイウォーカーは一緒になって付き合わされているのは確かに頭にはくるかも(笑)だったのかなあ?。もっと単純に「初心な女戦士が不良の元弟子にたぶらかされようとしている」に怒って間に入る老練のジェダイって考えればルークは別にヘンテコな描き方をされてるわけではありません。まあ彼って独り身の上にジェダイとしての正当な後継者さえも居ないように一見見えます。ただその代わり、遺伝子ならぬジェダイの意志を多くの人々に与えてSWから去って行くのでありました。その姿が、まるで「BAKUSHU/麦秋」における菅井一郎のようだったりしますし、小津映画での「THE FATHER/笠智衆」よりはかなり頼もしくてちゃんとレイを導いてますよ。日本映画に影響を受けた歴代SWエピソードの筈なんですが、黒澤明じゃなくてさっきから小津安二郎の話をしている私って変ですよね?

 で、それについては「後編」で詳しくまた書きますよぉ。

 TO BE CONTINUE !