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IF(たられば)の女 ⑥ 「ブレードランナー」のショーン・ヤングとダリル・ハンナ

 

ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]

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 今観てもカッコいい・・・今はこういう贅沢なSF映画観られないしぃ

 ホントだよ、だって今じゃ全部CGでやっちゃうから。作り込んだミニチュアセットを作って撮って、なんて面倒なことはしないもんね。今観てもCG画面と比べて圧倒的な奥行きと暗闇からキラキラ光る照明が立体的に「幻視の未来世界」てのを演出するのさ。つい最近「オデッセイ」なんて映画もあったけどリドリー・スコットのSF映画はCGじゃない画面がメインの「自分の〇ん〇肥料にしてジャガイモ栽培」するシーンとか方がよりセンス・オブ・ワンダーしていてわくわくするのですが、ブレード・ランナーではそれしか無いので観るヒトによっては超モダンなSFだし、ヒトによってはクラシックなフィルムノワールやら「メトロポリス」のような無声映画時代のSFやらを思い起こさせるのですよ。その代わりストーリーは何が何だかさっぱりわからず(笑)、主演のハリソン・フォードブレード・ランナーでのデッカード刑事役が嫌いだという噺も聞いたことがあります。まあこの前久しぶりにTVで冒頭のシーンを観たらフォードのその気持ち解かる気がしなくもない。現代目線だとほとんどソーシャル・ネットワーク [SPE BEST] [Blu-ray]の冒頭で有名な自閉症スペクトラム傾向の主人公ザッカ―バーグとガールフレンドのやりとりを彷彿とさせるもんね。ついでに言うと人間のフリしているレプリカントを見抜く能力が抜群だとして登場するデッカードって実は・・・ていうオチが(示唆している程度だそうですが)ディレクターカット版ではあるので余計にハリソン・フォードには気分良くなかったかも。

80年代の華、ショーン・ヤングダリル・ハンナ

 ということは90年代に入ると失速したってことだけどね・・・80年代ってもうメリル・ストリープを中心に大人の自立した女性の全盛期(脱ぎっぷりが良いのも含めて)で若い娘はあんまり出番が無かった。ショーン・ヤングダリル・ハンナはスタイルも良くて顔立ちも正統派の美人でこの映画で注目されたそうですがブレードランナー」は日本公開時にはまったく当たらず彼女たちを後に出演した映画で「そうかブレードランナー」にも出てたのね(笑)・・・ということで認知されたようです。ショーン・ヤングはその後恋愛トラブル等で徐々に「変わった女」扱いされてしまってるのと、ダリル・ハンナは故ケネディJrと交際破局した後なんとなく失速したカンジがするのが気の毒ですがこの映画での彼女たちは存在はどっか陳腐なんだけどそこが「世界観を体現」しているのでありました。クラシックとも80年代ちっくともいえる肩パッドスーツ&アップの髪型から後半ガラッとイメージを変えるショーン・ヤングレプリカントのプリス嬢を演じるダリル・ハンナは今観ても眼福ですよぉ。デッカードを待ち伏せするときのダリル・ハンナなんてまるで機械仕掛けのコッペリア(バレエで有名なやつね)かしらんと思っちゃった。結局撃たれて断末魔になるシーン・・・足をバタバタさせて息絶えるのだけど怖いけど美しい。ロイ・バッティ(ルドガー・バウアー)がプリスが死んでものすごく悲しむのが解るぅぅ・・・アタシも哀しいぃぃ・・・ていつも観る度に思います。

原作者フィリップ・K・ディックは死後ブームが到来

 80年代中頃には今は亡きサンリオSF文庫を支えたと言っても良いくらいに日本で次々と翻訳され今現在でも早川とか創元でも読めるディックではありますが、私がブレードランナーの原作アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))をなんとか読み切った頃までは二、三冊あるかないかだったと思います。映画の影響?それとも?というくらいいっぺんに来たドデカいブームだったので、私も原作を読んで二年くらいたって初めてTVで映画観たくらい。それも当時のゴールデンタイム(淀川センセイの日曜洋画劇場とかTBSの萩センセイの月曜日の番組とか)の映画としては「暗い映画ですけど今時の若者にはウケてるらしいから」でこわごわ放送されていた印象がありましたっけ。で、そんな時だったんです、深夜の映画を録画したらまだ駆け出しのハリソン・フォードがチョイ役で出演していて、もう泣きそうになるくらい不条理に怖かったのさハリソン・フォードぉ。

 その映画が例のカンバセーション・・・盗聴・・・ コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]てやつね。コレ観て衝撃的だったのは「知らなかったCA(カルフォルニア)て恐ろしい街だったのねぇぇぇ」で思わずブルっちゃったことでした。それまではCA=「思い切りアメリカン~♪、きてきてきてサンタモニカ~♪」というひたすら明るいイメージしかなかったものですから一見カルフォルニアに居るフツ―のビジネスマン然としたハリソン・フォードがとにかく焦っているジーン・ハックマンに対して頑なに拒絶する演技が超おっかないの・・・まるでディックの小説に登場するヒトっていうのか、レプリカントみたいっていうか。

ブレードランナー続編決定だぞ!!

 んでわりと最近「盗聴」観直したところ、この映画のハリソン・フォードは社長秘書のフリをしてるけどむしろゴットファ―ザーみたいなマフィア的な結束力をも持つ組織にいる血気盛んな兄ちゃん・・・てな役だったので「不条理極まりない」印象は最後にははっきり崩れておりました。だからもしも「盗聴の時の君をみてデッカード役にふさわしいと思った」などと持ち上げられたら、ご当人却って納得いかないことでしょう。あとブレードランナーの続編が今夏(2016年)から製作がスタートして2018年に公開するのが決まったらしいです。P・K・ディックはブレードランナーの映画完成を待たずに死んじゃったので当然ハナシやキャラクター完全オリジナル。ハリウッド映画の中にはアメリカ国立図書館に永久保存されるフィルムが厳選されているのですがその中でハリソン・フォードが出演したのは「ブレードランナー」「盗聴」とスターウォーズのエピソード5「帝国の逆襲」なんてのがあります。(どうもこの三作品だけみたい)・・このラインナップなのかあ、とハリソン・フォードの存在についてもいろんなコト考えてしまいますね。続編が製作されるのにかなり時間がかかったということは「ハリソン・フォードブレードランナーが好きじゃなかった」という噂はどうも本当らしいという気がしています。