ぶらぶらする女① 「百万円と苦虫女」の蒼井優

百万円と苦虫女 [DVD]

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 今どきの若い人たちには評判が良かったようです

 かなり昔、まだ松竹のシナリオ研究所(今は廃止)で皆初めてのシナリオを描いていた時のことです。当時21歳になる女の子が「17歳の家出少女が都会をさまよううちに二十代後半ぐらいの画家志望のお嬢様に拾われて一緒に暮らす」というプロットの作品を書いてきました。そのシナリオの合評会での講評のひとつに「アリエナイ、こういう家出少女はふつう男に騙されてシャブ漬けになって風俗に売られるのがオチだ」というのがありました。私自身もまったくもってその通りぃ!って感じてたのですが、割とショックだったのがシナ研のそのクラスでは21の女の子のシナリオにむしろ共感していた人々の方が大多数で「シャブ漬けで風俗」のイメージしか思い描けない人間は教室のなかワタクシめと先の発言者でヤンキーがかったOLさんの二人ぐらいしかいなかったことです・・・自分ではちょっとだけガラの悪い女子高の出身だからというだけのことだと思っていたのですが、物書き志望の中でもこれだけ血中のヤンキー濃度が高いのはヤバいことなのかもしれないという思いが一瞬よぎりました。ただその21の娘の描く家出少女は、ロングヘアーにフレアスカート姿で酔っ払いのオッサンと喧嘩する場面があったりしたのですよ。なんじゃそりゃ、そんな恰好じゃ服は着てても「年頃の娘が裸で街中ほっつき回ってる」ようなもんじゃんかという戦略の無さに呆れたということがあります。しかしこの映画の蒼井優はもっと大胆です、なにせロングヘアー&フレアスカートで百万円の入った銀行通帳とキャリーバックを抱えてよたよたほっつき回るのですから。それこそ年頃の娘が裸でしかも腰に百万円巻いてよたよた歩いているのであって、そんなんでも騙されて金も貞操も奪われ風俗に売られてりしないのでしょうか? つーか私のこういう昭和チックにヤンキーな発想の方がそもそもダメだったりして・・・。

 未だに「あまロス」状態のバブル男が観るとなかなか興味深いかも

 ブログ数も3百件以上あるようなので他でも指摘されてることかもしれませんが、「百万円と苦虫女」はかの大ヒットドラマ「あまちゃん」にだいぶインスピレーションを与えてること間違いなしでしょう。キャストもピエール滝が双方に出演してたりします。後、それとは別にロバート・カーライルのマクベス巡査 DVD-BOXっていうのがありましてカルトなあまチャンファンはこの二作品は要チェックですよ。「百万円・・・」の桃娘はご当地アイドルのヒントになってますし、「マクベス巡査」というのはBBC製作のTVドラマでそこに出てくるスコットランドのど田舎のパブでのやりとりは「あまちゃん」に出てくるスナックでの情景に相当な影響を与えております。(ところで本題に戻すと)「百万円・・・」のヒロイン鈴子(蒼井優)は天野アキのように都会の団地で息が詰まる生活から逃れようと、親元から離れて自活しようと試みるのですが派手に失敗し、何故だか刑事告発されて前科一犯の身の上になってしまいます。その時被害者となった同居人の若いオトコに「百万円を捨てられた」という言いがかりに腹を立て、今度は自分が百万円を貯めてそれを元手に自立すると家族に宣言して東京の実家から地方へと飛び出していくのでした。でも「前科者」になった彼女には行くところがなく、茨城の海水浴場だろうが、福○(らしい)の桃農家だろうが、結局は村社会であって彼女にとってはわずらわしいことばかりで疲れてしまいます・・・ただこの鈴子さんという人、せっかく他人が彼女を理解しようとあれこれ気を使うのに、まったく気にせず苦虫をかみつぶしてばかりいるかなりの自己チュー娘だったりはしますが。ここら辺は老獪なお年寄り達におだてられてまんまと調子に乗りまくるアキちゃんとは大違いです。

 NO戦略(PLAN)、NO反応(REACTION)でも全然オッケーならば何も言うまいが・・・

 で、これから「ぶらぶらする女」というカテゴリーで「百万円・・・」も含め日本映画を三作品取り上げる予定でございます。どういう順番で取り上げるか当初迷いましたが、結局製作年がどんどん遡るということで落ち着きました。自分もまだ若いと思いたいせいか、あんまり「昔は良かった・・・」などという言い方はしたくないのですが、ちょっとそうなりそうな予感がして困っています、でも仕方ないやね。どうしても何故鈴子さんというヒロインは出会うそれぞれの大人たち(ピエール滝、佐々木すみえ、海の家の夫婦等)に感謝の気持ちのかけらも感じないのかとか、どうせ百万円なんて意味のない数字とかプライドにしか過ぎないんだから、ラストは絶対百万円の預金がゼロにリセットされるべきじゃないのか? とか、未だに戦略が出来上がっているかどうかが不明な映画のカンジはしました。まあそれがいまどきの若さの表現といえばそれでいいのかもしれませんが。森山未来(彼氏役)なんか、鈴子の預金をギャンブルかなんかにつぎこんだ挙句、「キミに出て行って欲しくなかったんだもん」とか直にほざくタマだったらまだ男気を感じたのにね。(まあワタクシの発想は昭和チックですからそれじゃ映画当たんないか)・・・しかし今あまちゃん 完全版 Blu-rayBOX1を振り返って、小泉今日子がやたら「田舎をなめんな」と繰り返していたのを思い出すと、ちょっと怖い。


 今、子供のPTAで謝恩会のメニューを考えなくてはいけない係をやってます。その際「シャトレーゼ(本社は山梨県)で出している梨絵夢ってお菓子おいしいよ」とリクエストされて、「ええ! 福島(ホントは愛媛だけど)の母恵夢じゃなくて・・・梨絵夢なんだ」と少し混乱しました。ちなみに梨絵夢というそのお菓子は商品内容が福島本社のままどおるという商品に、名前が愛媛の有名な菓子メーカーにちょっと似ているのだった・・・。そういや鈴子さんに桃娘をお願いする村の集会所には黒板に「山梨に負けるな!」と書いてあったのを思い出します・・・が、ワタクシもただの都民でございますので、何がどうとか、パ○リなどとは言いますまいっ。ただつい「そんなにも福島VS山梨の争いは仁義なく苛烈だったのか」と勝手に思いをはせちゃったよ。まあ楽天アフィリエイトも始めまてみましたぁ♡って告知したかっただけだったんだけどね。