特撮美女!!⑦「ゴジラ」の河内桃子

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ(昭和29年度作品)

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ(昭和29年度作品)

 とっても驚愕しました

 なんでもゴジラ第一作って公開昭和29年なんですってね、だから私自身は「伝説は聞かされていたけど、実像は知らなかった」ようなもので、ちゃんと観たときは既にオバちゃん。初々しい好奇心も感受性も萎えたお年頃でファーストゴジラ体験したものですから今から云う感想に怒んないでねってあらかじめ断っておきます。ついでに言うと1996年公開の「マーズ・アタック」⇒1995年公開のゴジラvsデストロイア [DVD]⇒1953年の第一作「ゴジラ」の順番でたまたま鑑賞したのがいけなかったかもしれません。BSのノーカット版で初めて一作目映画を観た時最初に思ったのは・・・ゴジラ」って基本的には災害被害の恐怖についての映画で、ドラマとしては平田昭彦河内桃子との温いメロドラマが中心のお話なのね、ってことでした。そっかー、東宝映画って「若大将」でも「無責任」でも、最近の「踊る大走査線」シリーズに至るまでなんか妙に関係があいまいで、そのくせ割といちゃいちゃする男女の「温(ヌル)カップル」が好きだからな〜って妙に納得・・・しちゃいけないのかな?

 それでもやっぱりなんか怪しいぞ!平田昭彦

 すいません、実は観たはずなのに芹沢博士(平田昭彦)と山根博士(志村喬)の娘恵美子(河内桃子)との関係性とかあんまりよく理解していませんでした・・・つーかっ、(言い訳すると)このカップルの設定とゴジラ来襲との話がうまく噛んでないからだと思うよ。芹沢さんと恵美子さんは元は許婚同志で、山根博士の家へ婿養子となるはずだったのですが、芹沢さんが戦争で片目を失い悲痛のあまり婚約を彼自身の手で解消しちゃいます。恵美子さんはそんならということなのか、今度は尾形さん(宝田明で彼こそ主人公だったりする)という若いサルベージ船の職員に乗り換えちゃうしさ、という具合・・・そんな回りくどい恋愛話必要だったのかぁ?大国の水爆実験のあおりで復活したゴジラに逃げ惑う大戸島の皆さんや、ゴジラに原爆の記憶を見出したりしてパニックになる母子たちと比べたらついこの非常時に何やってんのさアンタ達って気分になりますよね。主人公なのにゴジラに関しても、恵美子さんとの恋愛の芝居でも実はあんまりイイところがなかった宝田明氏が「映画の主役はゴジラじゃないですか、死んだゴジラが僕は可哀想だと思う」とちょっと不満に思われたようなのもさもありなんだというのは、全然怪獣と関係ない理由で暗いだけなのにも関わらずひたすらダークな平田昭彦の存在感がゴジラとシンクロしているからでしょうか。オキシジェン・デストロイヤーを持ってってゴジラと心中する芹沢博士を観た時、このヒト国民の生活を守るために自己犠牲てんじゃなくて、恵美子さんに振られて悲しいから「二人ともお幸せに、天国で祈ってます」て死んでいくんだわね、また随分とおセンチなと私思っちゃいました。もう映画の後半あたりだとおしどり夫婦として有名だった夫人の久我美子徹子の部屋で話していた「平田昭彦との交際エピソード」を思い出しながら鑑賞してたもん、平田昭彦は学生時代(東大の法学部出身)映画撮影所でバイトしていて新人時代の久我嬢の身体を撮影の為に支えてたりしたんだってさ。平田・久我夫妻は世が世なら片方は「陸軍士官以外にはなれない秀才」、片方は「華族出身で出家しなきゃならない身の上」の二人がめでたく結婚したのさ。この芹沢博士の公私に渡るエピソード込みで、「ああ、ホントに平和な戦後日本の願いが込められてるみたいだわゴジラってば凄い」でまとめても良いのかなあ、話取り留めなくなってきちゃったよ。(トホホ)

マーズ・アタック! [Blu-ray]

マーズ・アタック! [Blu-ray]

 それでも僕らはそんなゴジラが大好きさ

 「マーズ・アタック」でチワワにされた平和ボケカップル(ピアーズ・プロズナンとサラ・ジェシカ・パーカー)⇒「ゴジラVSデストロイヤー」でのまったくいい加減にしろやな緊張感無くいちゃつく科学者とTVキャスター(辰巳琢郎いしのようこ)を経て「WHY(何故に)?」と疑問な私だったのですが、これこそ初代ゴジラに対する最大のオマージュであったのですね! ・・・いやあ気が付きませんで。もっともそんな理解の仕方をしたら駄目っていう人多いでしょうね、つい先日の朝日新聞の記事(本年1月11日の土曜日版)書いた「ゴジラヒーロー至上主義のおっさん」とかさ。・・・一応新年一発目なので「ゴジラ第一作」をもともと用意していたのに、おかげで調子狂っちゃいました。そんなに「怪獣大戦争」でゴジラがキュートとか軽くまとめて申し訳なかったでしょうか? でも世代的に気が付かないよ、ゴジラがシェーなんてさ、けっ。