特撮美女!!⑥「バットマン・リターンズ」のミシェル・ファイファー

 この映画について語った時に周囲に引かれた・・・

 一時すごくハマって二十代の頃「思わず映画観て泣きそうになった」とまで周囲に発言していました。驚いて「どんな映画だったの?」聞いてくれたのに私の説明だと「キャット・ウーマンがコスチュームをちゃんと自分で手創りするのがエライ。ペンギン・マンはでっかいあひるちゃんに乗ってやってくる。」とかいうのばっかりだったので「今、ふざけてるんですか?」・・・怒られました。同じく映画を観た人同士の会話でも「そんなに泣くような映画だったっけ」という感じで引かれた・・・。まあだいたい30代ぐらいまでの私が映画で泣いた経験といえば、ベイブ [Blu-ray]とかダンボ スペシャル・エディション [DVD]ぐらいしかなかったものですから、結局アタシのような人間の泣ける映画というのはいい歳した大人の感覚とはまったくズレてるということだけなんでしょうけど。

 何故か白熱したらしい「キャット・ウーマン役争奪戦」

 キャット・ウーマン役のオーディションではあまりにもその役が欲しかったためか、オーディションにわざわざキャット・ウーマンのコスプレで臨んだショーン・ヤングなんて女もいたらしい。「何故(なにゆえ)に?」て感じもしますが、日本人にとっちゃ「女の子でも仮面ライダーに変身できるチャンス」だったようなもんなのかな。で登場シーンもその期待を裏切らないかなりの見せ場ではありました。内気な秘書のセリーナ(ミシェル・ファイアー)は自分の上役シュレッククリストファー・ウォーケン)の悪企みをうっかり知っちゃったせいで殺されそうになるのですが、猫の魔力でキャット・ウーマンに変身することになります。ビルから突き落とされてから自分の家へ戻り、自分のなかで何かが覚醒されたことに気付いていく過程は、日常生活のフラストレーションがたまっている女性なら皆共感すると思うけどな。セリーナ自身はもともと寿退社や幸せな結婚、家庭なんかに憧れるタイプ、だって一人暮らしに部屋にはドールハウスだのミシンなんてのが置いてあるんだもんね、ミシンが女の嗜みになっている独身女性!って・・・アメリカにも向田邦子のドラマに出てくるようなヒロインのような女性がいるのかい? 今どき、と公開当時も驚いたよ。おとなしいセリーナがどんどんミルクで(猫にマタタビのごとく)ハイになっていって貯めていた怒りが爆発するといきなりすんごいスピードでミシン掛けしていくのだっ!コスプレーヤーの鏡だね♡で、根はいいお嫁さんになりそうな女性なのに、そんなことじゃダメ、お人良しのままでいたらいつまでたっても弱いまんまよ、強い女にならなきゃあと名実ともにキャット・ウーマンに変身した彼女は街へ出かけると暴漢に襲われていた若い女の子を助け、ついでにギャルに説教して去っていくのでした・・・当時ちょっと年増になったハイミス役でここまで振り切ったモノはさすがになかったのもんね。キャット・ウーマン役を最初にゲットしたのは実はアネット・ベニングで撮影に入る直前に妊娠が分かってあえなく断念、ミシェル・ファイファーに回ってきたそうです。この二人実は同時期にフランス文学の「危険な関係」の映画化作品に(双方別々に作ったヤツ)で出演しています。ミシェル・ファイファー危険な関係 [Blu-ray]の方は観たんですが、それもどっちかっていうと恋愛ドラマっていうよりグレン・クロースやジョン・マルコビッチなどの怪物(クリ―チャ―)っぷりがすごかったので今考えると「バットマン・リターンズ」とあんまり雰囲気変わんなかったような・・・

ヤッターマン “てんこ盛りブルーレイ” [Blu-ray]

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 それにつけても「ボヤッキー」・・・

 ゼブラーマン [DVD]観たときも三池監督は「バットマン・リターンズ」が好きだったのかなぁと思ってましたが、「ヤッターマン」は本当に三池版の「バットマン・・・」みたいな映画でした。皆は深キョンのボンテージルックばかりに目が行ってましたが、キャット・ウーマンよりもペンギン・マンのダニー・デビ―トに釘付けのヒトがいたように(確かに一人妄想の世界に閉じこもるペンギン・マンも強烈、仕事なので熱心に話かけてくる女性レポーターについ嬉しくなっちゃって「ペンギン・テクでイカせたい」とか口走っちゃうのさ)声優八奈見乗児生瀬勝久ボヤッキーに気が付いたら釘付けになっておりました。あのね、だいたいボヤッキーが夢に描く「ナマのJK(女子高生)の皆さんとぎゅうっと詰まって一緒にいる僕」シーンのエグさというかアホらしさの前では他のどんなエロも吹っ飛ぶというものです。カメオ出演で一言もしゃべらなかった八奈見さんのアップもなんか迫力ありましたしね。(思わずこんな生真面目で品の良さそうなヒトがずーっと「女子高生の皆さーん」とか演ってたのかと感慨深し)でも映画公開に合わせて復活したTVアニメシリーズのボヤッキーは映画の生瀬ボヤッキーに対抗して「全国の女子中学生の皆さ―ん」に変えていたのだっ、ボヤッキー、若いモンにはまだまだ負けたくないと見た。