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特撮美女!!⑤「ツイスター」のヘレン・ハント

 
 普通のラブ・ストーリーより「活劇としての」ボーイ・ミーツ・ガール物

 映画のチケットって結構高いし、特に恋愛ものといえばやぱりカップルで行かないと恥ずかしいものだし、そしたら当然財布は男が持つものだし・・・という前提を考えると完全に「女性主体目線」の恋愛映画というのは所詮ありそうで無いよねというのが「ハリウッドの掟」でございましょう。80年末から90年代初頭にかけてプリティ・ウーマン [Blu-ray]やら「ゴースト」なんてのが日本でも大ヒットし、当時のバブリーなカップルにとっては思い出の映画なんでしょうが、私自身にはちょっとかったるそうで観てらんないでありました。尤もこれらとは別個に盛り上がっていた恋人たちの予感 [Blu-ray]みたいな「ラブコメ」ものなんかもありましたが、これはどっちかっていうとおうちで寛ぎながら観るジャンルなので独りで観ても「こう見えてもモテるのよ」のフリはできるから?・・結構観てましたが(笑)「プリティ・ウーマン」なんてのはどっか男の人が憧れるシンデレラ話という印象がぬぐえず、生きの良いイケてる若い女の子をダイアナ妃みたいに仕立てるのがそんなに嬉しいのか成金男ってやつはってつい思っちゃったよ。・・・そうそう、で「ツイスター」に出てくるこのヘレン・ハントは死んでも「ダイアナ妃」みたいにはなりそうもないんだよね。

理系肌の作家は女性科学者の方が好き?

 特に覚えているのは、「日常生活を舞台にした映画のVFXの画面みても極端なまでに違和感を感じなかったのは今回が初めてだ」と思ったこと。ドリームワークス印がハリウッドに果敢に打って出ようとしていた時で、公開当時に淀川長治センセイが「よくこんな地味なモチーフで映画にするもんだね、アメリカって変わってる」旨を発言していましたっけ。アメリカのオクラホマ大学に竜巻発生の予知を研究する「ストーム・チェイサー」と呼ばれる研究所がありましてこれをモデルにして全編ただひたすら竜巻を追っかけていくだけの映画なんだもんね。こういう常にスリリングなんだか、ただひたすらウンザリするぐらい単調なんだか分からない作業を年中やっていられるのは、冒険大好きバカかよほど求道的なまでに執念深いかどちらかでしょう。子供の頃竜巻にパパを殺されちゃったヒロインのジョー・ハーディング博士(ヘレン・ハント)は能天気な他のヤングなストーム・チェイサー達を仕切る「姉御」として今日も竜巻観測頑張るぞ、なのさ。彼女の夫で別居中のビル・ハーディング(ビル・パクストン)はそんなストーム・チェイサーの生活に疲れて気象予報官に転職してしまい、離婚してくんないか、再婚したいからと新たな彼女メリッサ(ジャミー・ガーツ)とジョーの元を訪れます。ジョーはそんなビルなんかはそっちのけで、「ドロシーの調子はどう? これでもまた新たに改良してみたのよ」なんて言っている。ドロシーは竜巻のど真ん中に入って竜巻を観測するという装置、竜巻を車に乗って追っかけて竜巻の渦の中ににドロシーをチョロッと入れればそのまま飛んで行ってくれるからさ・・・て手元が狂ったら竜巻に巻かれて死んじゃいますけどね。でもともとドロシーはビルが原型を発想したんだよね。ドロシーのアイデアだけをパクってジョーたちよりももっとリッチな装置や装備を揃えてるジョーナス博士なんているライバルチームもいるし、ビルはなんだかジョーが気になってしまいずるずるちょっかい出していくうちに、近所の街が竜巻にふっとばされて甚大な被害を出すわ、さらに巨大な最大級クラス「F5」の竜巻が襲ってくるわで・・・とかなり往年のハリウッド的娯楽要素がいっぱいで楽しめます。割合主人公が女性科学者という設定が近年のハリウッド映画には多くてジョディ・フォスターが宇宙の神秘に遭遇するコンタクト [Blu-ray]なんてのは有名ですが、生活感あふれるヘレン・ハントの方が科学者としても魅力的に映るから不思議。祖母の住む実家でくつろぐエピソードや、潰された町での三角関係の恋模様などちょとしたディテールがしっかりしていてドラマとしても案外と楽しめてたよ。映画の中心で仕切っていたであろうマイケル・クライトンはこの後ER 緊急救命室 〈シーズン1-15〉 コンプリートDVD BOX(99枚組) [初回限定生産]という長大なTVシリーズを手掛けるのですが、その片鱗らしきものも少しはうかがえるのかな?

 ひとつだけ不満なのは・・・

 夫役のビル・パクストン好きじゃなーい、不細工とか何とかでなくロマンチックな感じが無いのよこの人。だって「ドロシー」っていうのも奥さんのジョーに見立てて開発してあげたんでしょ?そういう細かいところでカップル愛とか表現しなきゃならないのにさ。あなたが寝てる間に… [DVD]ビル・プルマンみたいなヒトだったら良かったのにぃ。もっとも名前がちょっと似ているのと両者が年齢が近いというだけで発言してますが(笑)

 「異常な状況で結ばれた男女は長続きしないんだから」というセリフで有名ですね。普通こういった低予算のB級に近い映画で主役カップル(キアヌ・リーブスサンドラ・ブロック)に華を感じることはない、それだけ何故だか観客の皆がボーイ・ミーツ・ガール物として熱狂したということです。男女が映画の中で出会ったってそれが全部恋愛ものジャンルになるわけじゃないし、そういう娯楽映画ではほぼ当たり前のことが最近ではとんと無くなりましたなー。