ファムファタールな女③「レディ イヴ」のバーバラ・スタンウィック

レディ・イウ゛ [DVD]

レディ・イウ゛ [DVD]

 ハリウッド史上最も「キラキラな」瞳力(めじから)女優のヒトリ

 ・・・これに関してはかなりの人が賛成してくれるのではないでしょうか。特に白黒映画で一番女優が輝いて見える瞬間といえば「アップに寄った時にお目目がキラキラしてる彼女」のことに決まっているのですが、バーバラ・スタンウィックのキラキラ瞳はまさに一品、彼女に匹敵する女優といえば他にはキャサリン・ヘップバーンぐらいしかいないかもしれない。(他はスタンウィックよりも単に瞳が大きかったり、単により顔がキレイってだけだもんね)AFIの「偉大な女優ランキング」でもエバ・ガードナー19位、リタ・ヘイワ―ス11位より格上の5位に輝くスタンウィックではありますが、日本では最近までちょっと忘れられてたところがあるのもやっぱ「容姿が若干地味」ってことなんでしょうね。この映画も私はかなり前にリバイバル公開で観ました。すごく面白かったという声がじわじわと広がってDVD化と相成ったのでありましょう。そういう底力のあるスクリューボールコメディの名作です。

 
 お転婆なアニメ美女としか思えない

 スタンウィックのヒロインは凄腕の女詐欺師でヘンリー・フォンダ扮する蛇オタクの御曹司をまんまと引っかけます。でも彼女は御曹司の執事かなんかに正体を見破られて二人は結局引き裂かれちゃうというのが映画の前半部。スタンウィックが御曹司の彼を本気で好きになっちゃったせいでひどく傷つくというのはよくあるパターンですが、彼女は彼女で親の代からの詐欺師の家系という設定になっており爺やみたいなオッサンが3人付きしたがってブレーンになっているというお姫様、まるで詐欺師の国のナウシカ状態なのが私には可笑しかったのを覚えています。傷心を振り払うためなのか、悪女の深情けなのか、瞳をキラキラさせながら「ギッタ、ギッタにしてやるわ」と誓うスタンウィックは限りなくアニメっぽいヒロインです。昔うる星やつらなんていうTVアニメではこんな女の子のキャラがいっぱい出てたし。あんまり関係ないかもしれませんが同じ監督によるしみじみ喜劇映画サリヴァンの旅 [DVD]でラスト主人公が自分を取り戻す時に観ていたのがミッキーマウスのドタバタ短編アニメだったりしていました。プレストン・スタージェスという人は脚本家から監督になった第一号としてハリウッドでは有名なんだそうですけど、純粋に活字中毒というか、漫画好きから映画界にたどり着いたともいえるかもしれません。ストリート・プレイの伝統を重んじる当時の映画評論家の間では「ちょっと幼稚過ぎ」という評価で若干軽視されてたみたいですしね。(実は現在でも日本の映画ファンの中だとその手の意見があるみたい)でもどっかアニメっぽい魅力が真骨頂なのがバーバラ・スタンウィックだし、「キラキラ瞳」で魅力全開な彼女をスタージェスはホント上手に使ったなあ、と私は思います。

深夜の告白 [DVD]

深夜の告白 [DVD]

 ファムファタールとしてのバーバラなら・・・

普通こっちの映画をあげないか? ってお感じなる方も多かろうと思います。ほんとにおっしゃる通りです・・・でもあえて告白しちゃいますとこの映画観ながら「もしもこのバーバラ・スタンウィックが女子高生か女子大生の役でアンクレットつけたまま制服のコスプレでもしてくれたらさらにツボなんだけど」と私は思わずにはいられませんでした。山田宏一先生には申し訳ないんですがキラキラ瞳のスタンウィックはまた容姿もスタイルもどっちかっていうと平凡な方でありまして、年上の人妻というよりも早熟な美少女という感じがいつまでも抜けない人でもあるんですよね。相手役フレッド・マクマレーは学ランが似合いそうだし、エドワード・G・ロビンソンは教頭先生ぐらいにみえてしまう・・・ついでに言っちゃうとだいたいこの映画での彼女は「私とあなたって他の人たちとどっか違っていて、どっか二人似てない?」って誘惑するんですもん。なんかビリー・ワイルダーの映画に出てくるカップルの中でもかなりヤングな感じもいたしまして、ひょっとしてフィルムノワールって青春カップル映画のコジレたバージョンなのか? って時々思います。