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何だか不運な女②「サイコ」のジャネット・リー

とりあえずヒッチコックのヒロインのなかではかなり不運な方だよね、彼女
 
 これ数年前に書いたのですが、先日「ヒッチコック、トリフォー」というドキュメンタリー(2016年12月時点の話)を観まして、これはかなり書き直さないとヤバい・・・ということで再度書き直しします。で、「サイコ」のジャネット・リーが何故ヒッチコック歴代ヒロインのなかでも特別に不幸かというと途中で殺されちゃうからに決まっているからなのですが、それより自分の運転する車から引き離されて力を奪われて魔の手にかかったという方がふさわしいのではと考えています。ちなみに「サイコ」映画というジャンルそのものは別にヒッチコックが発明したわけじゃない。常識的には本来は哀れな犠牲者として登場してから数分もたたないうちにいなくなっちゃうような美女が映画の前半ずーっと頑張ってたと仮定してもよさそうですしね。汚名 [DVD] FRT-036イングリット・バーグマンは酔っぱらって車の運転していても平気だしマーニー [Blu-ray]の乗馬だけが大好きで心は病んでるティッピ・ヘドレンにしてもそうだけどヒロインたちは乗り物を操る時が最強、絶対に彼女は車の運転はミスしない、よほどのことが無ければ落馬しないというのがヒッチコック映画の美女たちなんだからさ。ヒッチコックの映画って飛行機や船舶、列車とたくさんの乗り物がいっぱいでてくるんですが、自動車だけは別格。それこそ「見知らぬ乗客」のごとく大勢の他人と一緒くたにされる飛行機や列車と違って自動車は優雅な「馬車」に通じるものだったみたい、でもってさ、馬車のなかで「男女が通じ合う」みたいにしてパトカー?(確か警察の車だったと思う)のなかでラブシーンがある舞台恐怖症 特別版 [DVD]ってやつが私はヒッチコック作品のなかでも割と好き。


「サイコ」はターニングポイントである、って結局何なのさ

 ホラー映画という呼ばれ方は「サイコ」から始まったそうですから、とにかく何かの始まりであることは確かなんでしょう。ヒッチコックとしてはもう、多くの予算をかけて好きに映画を作ることだけに固執するとか、モータりーぜーションの深化について無視してきたことに対して「妥協」することに決断したのかもしれません。

 それから後の映画への影響、というとどういうものが考えられるんでしょうか・・・・そりゃ大きすぎて難しすぎてワカンネェ、ってことなんでしょうが、ここではサイコのヒトについての描写についてじゃなく、ヒッチコックのサイコのおかげで「ハイウエイ系サスペンス」の映画がメジャー級の娯楽ジャンルの一つとして確立されたってことでハナシを進めましょうか。それこそ後70年代の激突!スペシャル・エディション [DVD]をはじめ数々の高速道路周辺にひそむ殺人鬼が活躍する、しかも結構お手軽予算で大儲けの「ハイウエイ系サスペンス」映画はやたらと作られているのですから。そしてハイウエイ系では物語が「二部構成」ってのがむしろスタンダード。だって殺人鬼を俳優がやる場合(トラックじゃなくてね)まず自己紹介から始めなくてはいけないし、殺人鬼が自己アピールなんかしたら、主人公が途中で死んじゃうか、命カラガラ逃れて殺人鬼に反撃するしかないじゃん。私昔ヒッチャー [DVD]というのを観たんですけど、それもオリジナルは既に1940年代に作られていたそうな。(2000年代のリメイクは三度目)だからハイウエイ系は必ずしもヒッチコックの発明ではないんだけれども、「結局俺たちの映画はサイコから本格的に始まった」っていう人はいっぱいいると思います。B級映画に捧げるとして製作されたデス・プルーフ プレミアム・エディション [DVD]も観たんだけど、タランティーノヒッチコックのように登場したかどうかまでは忘れました。(後で観直したらタランティーノ様ばっちり脇役、台詞付きでご出演されておりましたがまったく気が付かなかったw)